響き合う 人x企業 JOBRASS新卒

学生の就職活動を応援 大学キャリアセンターインタビュー

vol.

28

聖学院大学

我が校の特徴
「神を仰ぎ、人に仕う」というスクールモットーに基づく少人数教育によって、人の調和の要となる人材を輩出しています。
設置学部
【政治経済学部】政治経済学科、コミュニティ政策学科
※2014年度よりコミュニティ政策学科は政治経済学科と統合します。
【人文学部】欧米文化学科、日本文化学科
【人間福祉学部】児童学科、こども心理学科、人間福祉学科
聖学院大学

人に仕える存在としての人材育成

キャリアサポートセンターの鈴木さん。
長年にわたって企業で勤務してきた経験が、今の仕事にも生きているという。

聖学院大学の1学年の人数は600名。どの学科でも少人数教育が行われており、学生と教職員の距離が非常に近いのが特徴です。

もう一つの特徴は、キリスト教主義の大学ということです。火曜から金曜まで実施されている全学礼拝の参加率も高いですし、スクールモットーである「神を仰ぎ、人に仕う」ということばは、クリスチャン以外の学生にも浸透しています。

この「神を仰ぎ、人に仕う」というモットーは、社会に出て働く際に、次の2つの考えへとつながっていきます。1つは、「サーヴァント・リーダーシップ」。「人の上に立とうとする者は、人に仕える者になりなさい」という福音書のことばからきている考え方です。もう1つは、「Only one for others」。直訳すれば、「他者のために唯一の存在」ということですね。

聖学院大学の掲げる教育方針には、人に仕える存在としての人材育成という考え方が含まれているのです。

■■聖学院大学の学生の特質■■

聖学院大学の学生は、体育会系のタイプというよりも、人の調和の要になるような人材が多いですね。就職した企業の方々からも、そうした評価をいただいています。
例えば営業職でも、なにがなんでも目標を達成するんだとガッツを前面に出すタイプではありません。得意先にかわいがられながら、自然と業績が上がっていくタイプが多いですね。

学生の誤解をいかに解くか

学生との対話を通して、本人も気がついていない魅力を引き出す。型にはまった自己PRしかできない学生の固定観念を打ち破り、視野を広げてあげることも大切な役割だ。

人間福祉学部には、幼稚園や小学校の先生をめざしたり、福祉施設への就職を考えている学生が多いです。一方、政治経済学部や人文学部などの一般企業をめざす学生は文系ですから、やはり営業系の仕事に就くことが多いですね。

とはいえ、「営業は絶対イヤ」という学生も少なくありません。改めて話を聞いてみると、単にイメージだけで恐れを抱いているケースがほとんど。ドラマなどの影響もあるのかもしれませんが、学生たちはノルマを達成できないと、とんでもない罰を与えられると思い込んでいるんです(笑)。でも多くの場合、目標はあってもノルマはないという会社も少なくありませんし、達成できなければ翌月がんばればよいというだけのことですよね。

ところが、学生たちの頭の中には、営業というと一軒一軒ピンポンピンポン鳴らしながら訪問販売するイメージしかないのでしょう。強引に売り込む仕事だと勘違いしていることが少なくありません。学生たちに私がよく言うのは、「確かに、そういう営業も存在する。でも、世の中の90%以上の営業というのは、相手が必要としているものを売りにいっている。感謝こそされても、嫌がられることはない」ということです。

こうした誤解を解くためにも、営業経験のある先輩を招いてパネルディスカッションを開くなどして、営業の実態をきちんと教えるように努めています。

■■社会は厳しいことばかりではない■■

私が最近感じているのは、学生に対して大人たちが、「社会は厳しいぞ」と脅かしすぎではないかということです。今の学生はそういう話を聞くと萎縮してしまう傾向が強いのですが、実際は厳しいことばかりではないじゃないですか。確かに社員同士を競わせる会社もあります。一方で、誰か一人が困っているときには社員同士が力を合わせて助け合う会社もたくさんある。自信がないからとただ恐れるのではなく、後者のような会社を選んで受ければよいと思うのです。

就職活動を幅広く支援

聖学院大学の就活支援の取り組みとしては、3年生の秋学期から翌年の1月にかけて、毎週水曜日にキャリアガイダンスを行っています。また、12月には70社、2月には50社の企業を招いて、3年生向けの学内会社説明会を開催しました。

3月中旬からは、「水曜学内会社説明会」というものを毎週水曜日に開いていく予定です。こちらは合同形式ではなく、1社が1教室を自由に使って3時間かけて行う個別会社説明会。毎週、数社ずつを招いて、4年生の3月までずっと開催していきます。

夏休みには、4年生を対象に「クールビズ就職フェスティバル」というイベントも開催します。うちの学生たちは本来は元気なのに、スーツを着て、いざ企業の人事担当者とテーブルを挟んで向き合うと緊張してしまって普段の元気を出せないという子が少なくありません。だから、クールビズというラフな格好で楽しく交流できるイベントを企画したのです。

「クールビズ就職フェスティバル」では、企業の方向けの講演会のほか、学生も交えてお互いにフラットな立場でラウンドテーブルディスカッションをしたり、一緒に協力して何かを作っていくゲームを行うのですが、これらをすべて学生にアテンドさせます。そうすることで、一日のイベントを通して聖学院大学の学生たちが持っているホスピタリティマインドを人事担当者の方々に実感していただく機会になると考えたのです。

■■学生一人ひとりをフォローする■■

私たちの役割は、イベントを開催するだけではありません。大切なのは、学生一人ひとりの強みを一緒に見つけてあげること。セールスポイントのない学生は一人もいません。けれど、本人には自覚がないんです。学生と話をしていく中で、「それをセールスポイントにしようよ」と提案すると、例外なく「そんなのでいいんですか?」と言われます。気がついていないんですよね。それを対話の中から引き出してあげることが、私たちの最も大切な仕事だと思っています。

いかに真実を語れるかが勝負

少し特殊ではあるのですが、象徴的なエピソードをご紹介します。

相談に来ていた学生の中に、障がいのある学生がいたんです。すごく明るい子で、一生懸命就職活動をしていたのですが、なかなか決まらない。卒業間近、障がい者枠で採用を考えている企業の面接を翌日受けることになったというので、私が面接指導をすることになったんです。

模擬面接で自己PRをしてもらうと、「コミュニケーション能力があります」「協調性があります」というようなありきたりな話しか出てこない。真面目な子なので、きっと就活本を読んで勉強したのだと思います。

なかなか心の壁を打ち破れないもどかしさから、「いったん就活のことを忘れていいから、本音では何をしているときが一番楽しい?」と聞いてみたんです。すると、急に黙りこみ、じっと考えているうちにポロポロと涙を流しはじめました。「人と話をすることなんか大嫌いです。就職もしたくありません。自分の部屋で一人、絵を描いて空想をふくらませているときが一番好きです」とワンワン泣きながら話すんです。

「やっと本当のことを言ってくれたな。それでいいじゃないか。明日面接に行ったら、今の話を全部話してこい。だけど最後に、『そんな私ですが、就職して働かないと困るんです。雇ってさえいただけたなら、一生懸命働くことだけは約束します』と、それだけ言ってこい」と送り出しました。

黙ったまま思いつめた表情で帰っていったので心配していたのですが、2週間後、「内定もらいました!」と笑顔で報告に来てくれました。

企業の人だって、人間です。心を動かされたら、「こいつのために何とかしてやろう」という気持ちになるんですよ。その企業がそう考えてくれるかどうかは賭けですが、もともと障がい者を採用しようという意思のある会社だから、確率は高いと踏んだんです。

これは象徴的な事例で、この学生に限定した話ではないと思います。人の心を動かすものはやはり真実しかないのです。いくらウソをついても、人の心は動きません。真実をいかに語れるかどうか。それが勝負なのだと思っています。

どの企業でも必ず役に立つ人材

聖学院大学の学生たちは、謙虚で優しい性格の子が多く、人を押しのけてでも前に出ていくタイプではありません。けれど、企業の中ではきっと必要とされる人材です。社員全員がそういうタイプでも困ると思いますが、いろいろなタイプの人間がいる企業において、本学の学生は必ずや役に立ちます。

面接でおとなしくなってしまう子が多いので、企業の人事担当者の中には、「大丈夫かな? 元気がないのかな?」と心配をされる方もいらっしゃるかもしれません。でも、大丈夫ですから(笑)。採用いただけた企業の方々からは、聖学院大学の卒業生は元気が良いですと言っていただけます。決して損はさせませんので、ぜひ聖学院大学の学生を採用していただきたいと思います。

聖学院大学

聖学院大学

所在地 〒362-8585 埼玉県上尾市戸崎1-1
URL http://www.seigakuin.jp
学部 【政治経済学部】政治経済学科、コミュニティ政策学科
※2014年度よりコミュニティ政策学科は政治経済学科と統合します。
【人文学部】欧米文化学科、日本文化学科
【人間福祉学部】児童学科、こども心理学科、人間福祉学科
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