響き合う 人x企業 JOBRASS新卒

学生の就職活動を応援 大学キャリアセンターインタビュー

vol.

56

京都府立大学

我が校の特徴
学びと社会の接点、働くことを自ら考え
4年間でじっくりキャリアを育成。
設置学部
【文学部】日本・中国文学科 欧米言語文化学科 歴史学科
【公共政策学部】公共政策学科 福祉社会学科
【生命環境学部】生命分子化学科 農学生命科学科 食保健学科 環境・情報科学科 環境デザイン学科 森林科学科
京都府立大学

大学の紹介・学生の特色

京都府立大学は、1895年に京都府が設置した京都府簡易農学校に始まります。京都府では昔から農業が盛んだったため、当時必要とされた学びの場として設置されたようです。さまざまな変遷があり、2008年の学部再編を経て、現在3学部11学科になっています。今も敷地内に豚舎があるほか、キャンパスでは研究を目的にさまざまな動物を飼っています。たとえば、生命環境学部の農学生命科学科では、ダチョウの抗体を利用したマスクの研究開発が行われており、さまざまなメディアにも取り上げられています。また、ある大手通信社に勤める本学のOBの方に講演をしてもらったとき、就職活動の自己PRで学生時代に頑張ったこととして「掃除」を挙げたという話をしていただきました。大学では豚舎を掃除し、アルバイトでは銭湯の掃除をしたからだそうで、そういったユニークな自己PRができるのも豚舎が学内にある本学ならではないでしょうか。文系学部もフィールドワークが多いのが特長です。もちろん講義型の授業もありますが、学生自らが考えて行動するような授業が数多くみられます。
また、本学の大きな特長は少人数です。大きい学科でも57~58人、小さい学科では20~30人ですので、学生と教員との距離が非常に近く、担任制をひいているため就職に関しても1人ひとりに目が行き届く環境が強みだと思います。
学生の特色としては、自分でじっくり考えることができること、物事を最後までやり遂げる基礎力が高い点も強みです。弱みを挙げるなら、派手さはないということと自分の強みを正しく評価してない点でしょうか。ただ、企業が求めているのはリーダーシップを発揮する人だけじゃなく、フォロワーシップを発揮する人、リーダーを補佐する役目の人など、リーダーのように派手さはないけれどグループには欠かせない人です。どんな人でも組織の中ではリーダーシップとフォロワーシップを発揮しなければいけないと思いますので、企業のトップの方のお話の際にも、リーダーシップと併せてフォロワーシップの話もしてもらうようにしています。そうすると、フォロワーシップにすぐれている学生たちの多くは、社会でも自分はやっていけると感じるようです。

キャリア支援の取り組み

キャリアサポートセンター、特任准教授の小山さん。本学のキャリア・就職支援はキャリア教育から就職支援をシームレスにサポートしていこうという考え方が基本です。学生たちは1年時からのキャリア必修科目で、段階的に職業観を育みます。『働くこと』の多面性を考え、授業を初め様々な活動を通して自分の学びと社会との接点を常に考える機会を提供することが本学のキャリア科目の役割となっています。

本学のキャリア育成プログラムは、2011年から始まりました。入学当初から、自分たちの学びと社会との接点を意識する機会を提供し、学ぶ意味、働く意義を自分なりに言葉にしていくことを、1年次の必須授業のキャリア入門講座で行います。働くということに関して、自分の考えとほかの人の考えはもちろん違います。お金のためと考える人もいれば自己実現のためととらえる人もいて、深く考える人もいればそうでない人もいます。1年生の時点でそれぞれが違った就労観を持っていることに気づく機会があります。
キャリア入門講座では、企業のトップの方や本学OBの方など、社会人の方に仕事について話してもらうリレー講義を行っています。たとえば、4年前から毎年ずっと来ていただいて講演をしていただいている佐々木酒造さんは、本学と産学協同で飲料を開発している話や、三男の自分が家業を継ぐことになったのはお兄さんが俳優になって…といったご自身のキャリアの話をしてくださいます。いろんな分野や業種の社会人の方の多様なキャリアの話を、学生は非常に身近に感じ、興味を持って聞いています。学生たちは徐々に、キャリアは人生の中で重要な位置を占めるもので、今から少しずつ考えていかなければいけないと気づくようです。
講座の感想は、毎回Web上のポートフォリオでレポートとして提出します。
2年生のケースメソッドキャリア演習では企画力、コミュニケーション能力、課題解決力を養っていきます。こちらも必須授業で、企業や団体に来ていただいて課題を提供していただき、企業や業界が抱える課題を解決するためにはどうしたらいいか、グループワークで解決していきます。
3、4年生になるとインターンシップや就職講座が加わります。週に3回、外部からハローワークのスタッフに入ってもらい就職相談もしています。府大生の強みをどのように表現し、相手に伝えるかという指導をしてもらっています。

学生にアドバイスしていること

2014年10月に完成した京都府立大学、京都府立医科大学、京都工芸繊維大学の三大学の学生が一緒に教養教育を学ぶ教養教育共同化施設(稲盛記念会館)には、一般客も利用できるカフェレストランがあり、リーズナブルに本格的なメニューが楽しめると好評だ。

大人数で行う就職ガイダンスだけですとインプットはできますがアウトプットができないため、この4年間で面接対策やエントリーシート対策、グループディスカッションなど、20人以下の少人数でアウトプットを行うセミナーを充実させてきました。必要な情報をインプットしただけでエントリーシートを作成して提出するのではなく、実際に情報に基づいて、各自で自分の言葉でアウトプットして、それを他の人に客観的に見てもらって、深めていくように伝えています。
また、自分の強みや、何が基礎力として高いのか、それをどう伝えるのかといったこともセミナーで支援していきます。企業の採用担当者はすごく短時間に読んで判断しなければいけないので、どのように簡潔に伝えるかということは非常に大切です。面接などでどこを見られているかという観点を伝え、どのように表現したらしたらいいかを自分の言葉で考えてもらいます。だから細かな添削はしません。何のためにエントリーシートや面接があるのかを考えると、どういう風に自分の良さを伝えればいいのかが分かるはずです。逆に、観点を伝えれば、自分の頭で考えることができる学生が多いように思えます。そもそも本学を選んで入ってくる学生は、そういうことができる学生が多いので、その強みに気づかせ、より伸ばしてあげることがキャリア科目の役割の一つだと思います。
1年生のうちにどういう基礎力が社会で求められているのかを知り、自分の基礎力の強みはどこなのか知る。基礎力が低いと必要以上に落ち込む子もいますが、落ち込む必要は全くなく、社会人としての基礎力は仕事をするときの能力であって、学生のうちに上げていける力であることを伝えます。同じように、ライフロールというものがあり、職業人としての役割のほかに、親や配偶者、子どもといった家庭人としての役割や、市民としての役割など、人生にはさまざまな役割があります。長い人生、仕事では自分が頑張っても不遇な時期はあります。そんな時期に、別の役割を上手く果たしていくことで、バランスがとれます。ワークライフバランスの観点も含め、1年次の入門講座の際に伝えています。

企業へのメッセージ

本学の学生は、ほかの私学などと比べると地味かもしれません。ただ、一を言えば、十とは言わないまでも五は分かってくれる学生たちです。学内説明会などに来てくださる企業様を見ると、自分でじっくり考える、物事を最後までやり遂げるといった府大生の特性を評価してくださっており、今までも、今後も、府大生を採用したいと言ってくださっています。そういう企業様とこれからもご縁があればうれしいと思います。

京都府立大学

京都府立大学

所在地 〒606-8522 京都市左京区下鴨半木町1-5
URL http://www.kpu.ac.jp
学部 【文学部】日本・中国文学科 欧米言語文化学科 歴史学科
【公共政策学部】公共政策学科 福祉社会学科
【生命環境学部】生命分子化学科 農学生命科学科 食保健学科 環境・情報科学科 環境デザイン学科 森林科学科
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