響き合う 人ｘ企業 JOBRASS新卒

1964年、帝塚山大学は女子大学としてスタートしました。開学当時に設置していた教養学部を持つ大学は、本学以外に東京大学と国際基督教大学だけだったといいます。1人ひとりの個性を尊重しながら、社会に役立つ人間を育てようという人間的教育が建学の精神です。その精神を受け継ぎ、学問だけでなく広い教養と高い識見を身につけられる大学として、現在は6学部 9学科で特色ある教育を行っており、2014年には創立50周年を迎えます。
教職員と学生の距離が近い。それもまた開学以来続いている、本学が誇る特徴です。一学年が1,000人以上いて、教職員と学生との信頼関係がこれだけ厚いのも珍しいのではないでしょうか。学生は、のんびり屋さんが多いかもしれませんが、素直でマジメ、信用できる人間だと企業様からも評価いただいています。

キャリアセンター課長 福田さん（右）と松田さん（左）。3年生全員を対象にした初回個人面談を行うことで、“気軽に足を運んでもらえるキャリアセンター”になってきたそうです。

まずは、入学時に全員がキャリアガイダンスを受けます。就業教育を取り入れた授業形式のキャリデザインも1年生のときからありますが、ここで言うキャリアガイダンスは、「友達をつくろう」「クラブやサークルに入ろう」など、4年間の学生生活を楽しむための個々のキャリアカレンダー（キャリアプラン）を考えてもらうのが目的です。
昨今の学生は、本学に限らず、学生生活の過ごし方も提案する必要を感じます。そこまで、と思われるかもしれませんが、知らないことを教えるのが学校であり、最低限のルールや目的を伝えた後は「学生たちが考えて行動する」に任せたいと考えています。そういった体験が本人の宝になると思いますし、学生生活を通して伸びた自立心や考える力は、就活そして社会に出ても大きな力になっていくと思います。
また、本学の最も特徴的なキャリア支援は、3年生の秋に行う初回個人面談です。3年生全員にキャリアセンターへ足を運んでもらい、個別で面談を行います。ガイダンス等に来ていない学生に情報をどう伝えるか。また、同じクラブに入っていても得たものには個人差があり、本人が目指す場所も当然異なります。そこで、「よし、全員と話そう」と4年前から始めたのが個人面談です。全員を集めたガイダンスでは理解度にも差が出てきますが、個別ならアドバイス内容はもちろん、個々に合わせて伝え方も進めるスピードも変えることができます。
全員を対象にした個人面談を行うことで、いつどんなことでキャリアセンターを頼ればいいのか分からない学生たちの不安を取り除き、2回目以降も利用しやすくなってもらえました。かなり効果的な取り組みだと思っています。

緑豊かな奈良・東生駒キャンパス。奈良・学園前キャンパスと合わせると、その広さは甲子園球場約7個分！のびのびと学生生活を謳歌することができます。

学生たちには、内定を取りに行くのではなく、働くんだということを伝えています。社会に出てから活躍するためには、我々がレールを敷くのではなく、自分で敷いたレールを自分が走らなければいけません。並走するのではなく、発射台を用意して、いってらっしゃいと送り出すことが私たちの役目だと思っています。
あるとき、SPIで落ち続けている学生が、志望する業界に向いていないのかなと相談に来ました。アドバイスは、「向いている向いていないの前にSPI対策をしよう」です。キャリアセンターに来てくれなければ、そのことにも気づかなかったかもしれません。本学の学習支援室にはSPI対策専門の先生もおり、勉強のやり方から教えてもらえます。それから2ヵ月くらいでSPIを通るようになり、最終的には数社から内定が出ました。その学生が先輩体験報告会に登場してくれて、「キャリアセンターに感謝してます」と言ってくれたときは、本当にうれしかったですね。
また、話したことがなくても名前を覚えてくれているだけで通いやすい場所になると思うので、職員同士で情報を共有し、学生1人ひとりにこちらから○○さんと呼びかけるようにしています。

学生たちは4年間しっかりと教育を受けていますが、まだまだ幼さが残ります。企業には、完成形を求めるのではなく、学生たちの可能性を求めてほしいと思います。また、「この子を預ったらこんな風に教育してこんな人材に育てます」「こんな仕事を任せようと考えています」といった、会社に入ってからの将来を示してほしいですね。そうすると、私たちも個人面談で学生に「君に求人が来た」と言えます。ほしい人物像だけでなく、企業の個性・方針を打ち出していただけると、ミスマッチを少なくすることができるのかなと思います。ぜひお気軽に足を運んで、どんどん企業をPRしていただきたいです。