2005年、都立4大学(都立大学・都立科学技術大学・都立保健科学大学・都立短期大学)を統合し設立された『首都大学東京』。本学は東京都が設置する唯一の公立総合大学として、“大都市における人間社会の理想像の追求”を理念に掲げた教育を行っています。
「タイムズ世界大学ランキング※」では、日本の大学で第6位にランクイン。国際的にも高い評価を得ています。
≪学生の特長≫
本学では多様な入試制度を設けていますが、ほとんどの学生は入試の関門を突破して入学してきます。学位授与の基準も高いので、勉強する姿勢を身につけている勤勉な学生が多いですね。
企業の方からは「真面目で礼儀正しく、大人しい学生が多い」と評される一方で、「実際に働き始めると同期の中でリーダーシップを取っている」という話もよく聞きます。ガツガツ前には出ないけれど、しっかり組織を支える。そういった基礎力のある人材が育っています。
※「タイムズ世界大学ランキング」(Times Higher Education's 2013-2014 World University Rankings)
http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2013-14/world-ranking
vol.
首都大学東京
- 我が校の特徴
- 東京都のバックアップを受け、1年生から“現場体験型インターンシップ”を実施。
学生の「学校体系から社会へのスムースな移行」を支援しています。
- 設置学部
- ■南大沢キャンパス
【都市教養学部】都市教養学科
(人文・社会系、法学系、経営学系、理工学系、都市政策コース)
【都市環境学部】都市環境学科
■日野キャンパス
【システムデザイン学部】システムデザイン学科
■荒川キャンパス
【健康福祉学部】看護学科、理学療法学科、作業療法学科、放射線学科
都が設置する唯一の公立総合大学
“現場体験型インターンシップ”
本学の特徴的な取り組みの一つに”現場体験型インターンシップ”があります。
大学に入ることを目標に受験勉強を頑張ってきた学生たちが、「大学には入った。さて次は何をすれば良いのだろう?」と考え始める初めての夏休み(1年次)に実施するインターンシップです。社会の仕組みについてや、「働く」とはどういうことなのか、自分には何が足りなくてどう学生生活を充実させていけば良いのか、ということを考えるきっかけになる体験です。
一般的にインターンシップと言うのは3年生で実施されるため、就職前の就業体験的なものだったり、採用への一歩になっていたりします。しかし、その時点で何か気づきを得ても、学生生活の3分の2が終わっているため、そこから巻き返すのは難しいですよね。
本学では1年生のうちに「働く」という経験ができるため、その後の授業を受ける心構えや学生生活の過ごし方によって大きく成長することが可能です。学生からは、
「インターンシップから帰ってきて、残りの2年半で何をすれば良いのかわかった」
「1週間だけでも企業の中にいると、様々な場面でプレゼンをさせられた。だからこれからの授業で積極的にプレゼンの経験を積んでいきたい」
「人生の糧になった」などの感想が寄せられ、以後の大学生活の目標が明確になっているようです。
1年生でのインターンシップによって自分の未熟さを知り、「もっと勉強しなければ」と考え、さらに勉学に打ち込むようになる環境を作り出すことは重要です。普段の講義やゼミとのつながりを意識させることも大切です。
「学生の何を変えたらよいか?」と考えた時に、授業を受ける学生側の心構えを変えれば良い、という結論に至りました。「これを学ぶことで、将来のこういうことに役に立ちそうだ」と学生が思えば、授業が身につくはずです。私たちは、“学生の心構えを変える”ことで、本来の意味でのキャリア教育ができると考えています。
1年生でインターンシップを行っている大学が少ない理由として、“受け入れ先がない”ということが挙げられますが、本学は東京都の設置大学ということで、開学時から都が全面的な応援をしてくれました。最初から都庁をはじめ東京都関連の職場がインターンを受けてくれたからこそ、この取り組みをスタートすることができました。最近では、民間の企業様にも受け入れていただいています。
正課・課外、それぞれの役割分担
当たり前のことですが、学生は一度も社会人として働いたことがありません。その学生に対して「キャリアデザイン」「キャリア開発」という企業で使われている言葉を使うことに、私たちは最初から無理があると感じていました。
「では、大学におけるキャリア形成支援とは何か?」と考えた時、学生の職業的未来の準備・形成を促進すること、学校体系から社会へのスムースな移行を支援することだという結論に行き着きました。
~具体的には~
■学問の方法を身につけさせること
■自立を促すこと
■職業理解を促すこと
学生時代を通じてこれらができていれば、就職支援の一番最後の部分で、スケジュールの調整や面接対応・エントリーシートのチェックをする程度でよくなると思います。
≪正課と課外の役割分担をしていくこと≫
正課は、教員の分野。教養科目・専門、キャリア教育科目、ゼミ・研究室などで、学生に学問の方法を身につけさせる役割を担っています。
我々は課外活動の事務・職員の立場で、インターンシップの促進や進路相談・キャリアカウンセリング、キャリア就職支援行事(年間40回位)を実施。また、自分の経験を記録に残していけるオリジナルの「キャリアガイドブック」を配付し、低学年からのキャリア支援を充実させようと試みながら、学生の職業理解や自立を促しています。
大学の中では、得意分野や担当分野をはっきりさせた方が良いですね。教育とキャリア支援、別々の考え方で行うと上手くいかないので、本学では協力し合いながら進めています。
卒業生の声が今の学生をサポート
就職とは会社に入ることではなく、職に就くということ。本学では、まず就活の入口の時期に、仕事内容をイメージできる「職種研究会」を行っています。学生がエントリーシートを書く際「学生時代にこういうことをやった」ということは書けるけれど、「具体的にどういう仕事をしたいか」ということを書けない学生が多いんですよね。
この時点で「業界研究」を先にしてしまうと仕事内容に目が向かず、企業の大きさや有名度合いで会社を選んでしまったり、自分の知っている身近な企業しか受けない、という傾向になってしまいます。そのため、まず先に「職種」を切り口に考えさせるようにしています。
そもそも「職種研究会」を始めたのは、卒業生のアンケートがきっかけです。卒業・修了後3年目の就業状況調査をしたところ、退職しているのは10%程度。辞めた理由も逆に長く続けている理由も、一番は「仕事内容・業務内容」でした。
その結果を踏まえ、本学には“仕事”という部分を大切にする就業観の学生が多いということで、「職種研究会」を実施してみよう、という流れになりました。
アンケートでの卒業生の声というのは非常に参考になります。一度働いたことのある人でないとわからないことがある。いろんな壁にぶつかりながら成長している人の声はとても貴重です。しかも一般の方ではなく卒業生の声ですので、参考になることがたくさんあります。私たちはその意見を取り入れ、現在の学生の支援に活かしています。
企業へのメッセージ
企業の皆様には、企業ごとに異なる「求める人物像」というものを明確にしていただきたいと思います。例えば、よく“コミュニケーション能力のある人が良い”と言われますが、それがどのように測られるのか、学生には分からないんですね。
「こういうことを経験してきた学生を我が社では評価します」という風に具体的に示していただけたら、学生も「私のことを求めている企業だ」と判断して応募ができ、ミスマッチも減ると思います。また、選考に通らなかった場合も、自分に何が足りなかったのかがわかり、次に気持ちを切り替えられます。
そうでないとテクニックに走らざるを得なくなり、皆が同じようなエントリーシートを書くようになると思うんです。これから就職活動の時期が後ろ倒しになるともっと画一化されると思いますので、各社がどういった人材を求めていて、どういった手法で判断するのか。それを明確に伝えていただけたらと思います。
首都大学東京
所在地 | 南大沢キャンパス 〒192-0397 東京都八王子市南大沢1-1 日野キャンパス 〒191-0065 東京都日野市旭が丘6-6 荒川キャンパス 〒116-8551 東京都荒川区東尾久7-2-10 |
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URL | http://www.tmu.ac.jp/ |
学部 | 【都市教養学部】都市教養学科 (人文・社会系、法学系、経営学系、理工学系、都市政策コース) 【都市環境学部】都市環境学科 【システムデザイン学部】システムデザイン学科 【健康福祉学部】看護学科、理学療法学科、作業療法学科、放射線学科 |