響き合う 人ｘ企業 JOBRASS新卒

関西外国語大学は、建学の理念「国際社会に貢献する豊かな教養を備えた人材の育成　公正な世界観に基づき、時代と社会の要請に応えていく実学」に基づき、国際人を育成する大学として発展してきました。世界50ヵ国・地域の339大学と提携し、年間1,700人の留学生を派遣しています。これは日本一の規模です。学生の2人に1人が留学を経験し、人間的にもたくましくなって帰ってきます。また、40ヵ国・地域から年間約600人の留学生が訪れ、キャンパスにいながら異文化交流をすることができます。
海外で働きたいという学生も当然いますが、日本に腰を据えて、海外出張や駐在といった形の働き方を目指す学生が多いですね。特に長期で留学を経験すると、日本の良さを再認識し、それを世界へ発信していきたいという考えを持つようです。
企業の方に評価いただいている学生の特徴としては、グループワークを嫌がらないということ。普通は見ず知らずの人と一緒に何かをする、というのを嫌がる学生が多いそうですが、本学の学生は人づきあいが好きというか、他者との壁がないですね。

2011年に新設された英語キャリア学部の一期生が、この春、初めて就職活動を行い社会へ飛び出します。英語キャリア学部は、英語をベースにキャリアを構築することを目的に、英語で社会科学系の科目を学んでいく学部です。1年次からオールイングリッシュの授業を行い、期間や時期は学生によりますが、原則として3年次に1年間の留学を全員が経験します。
近年よく言われているように、語学はあくまでツールです。留学先で語学学校に行くのではなく、ビジネスやホスピタリティなど何か専門科目を持って現地の学生と一緒に英語で勉強し、海外でしかできない経験をすることで、学生たちは大きく成長します。国際社会で必要とされる高度な英語コミュニケーション力とともに、異文化・多言語圏の人々の意見を集約することができる交渉力を身につけ、それを留学という国際体験を通して深化させるのです。

【画像コメント】キャリアセンター主任の藤岡さん（左）と事務部長の遠藤さん（右）。「従来の就活の流れに乗りにくい留学経験者たちを多角的にサポートしています」

1年次は、働くとは、企業に属するとはどういうことか、キャリアを描いていくための基礎的な授業が中心です。2年次はキャリア講座を週に1回開講し、業界・業種研究をしていきます。3年次に留学する学生が多いため、他大学に比べると少し早い段階からガイダンス等の取り組みが始まります。
また、留学する学生に向けた「留学直前ガイダンス」と「帰国直後ガイダンス」も本学の特徴的な取り組みです。留学経験者へ企業が求めることと、学生が持つイメージにはギャップがあります。求められているレベルが高いという現実を踏まえ、海外留学でしかできない経験を生かした就活をする必要があると伝えています。留学中も自己PRをメールで添削するなど、サポート体制を整えています。
また、留学から帰ってきた4年生を対象に、東京で行われる国際派就職イベントに、希望者を募って参加しています。毎年100人弱の希望者が集まります。4年生の5・6月に帰国すると、通常の就活の流れに乗り遅れてしまいますが、そういったイベントでは面接も同時にしていただけるため、留学経験者にとって大きなチャンスです。4年前から行っているのですが、今年は1年目に参加した卒業生2人が企業側で参加しており、会うことができました。学生たちにとっては、先輩がいるので自分もなじみやすい会社ではないかと思えますし、そういったイベントに企業の代表として出てくる先輩がいることは励みになると思います。

2013年9月に完成した新キャリアセンター(中宮キャンパス)。壁やカウンターを取り払った広いオープンスペースには、就職関連の資料がそろい、資格サポートコーナー、自習スペースもあります。

本学の学生が志望する業界は、語学力と国際感覚を生かせるものを中心として多岐にわたります。しかし中には特定の業界に就職するために本学を選んだという学生もおり、「ある業界に行きたくて絞って就職活動をしていたが、決まらなかった。どうしていいか分からない」ということがあります。そういったときは、そもそもなぜその業界を志望したのかを聞くようにしています。本人のやりたいことや価値観が明確になれば、他の業界や職種を紹介することができるからです。
語学力を伴ったコミュニケーション能力を生かせるフィールド・海外展開をしている企業はどのような業種にもあるので、キャリアセンターが蓄積してきた企業とのパイプを最大限に活用して対応しているわけです。

企業の海外進出が進む中、“人材さえいれば”これからもっと海外へ拡大していきたいと思われる企業が多いと思います。
本学には、留学等で通常の就活の流れに乗れない優秀な学生が多くいます。留学という貴重な経験をしながら、4年生の5月に帰国したというだけで志望する業界への就職が難しいとなると、非常にもったいないと思うんです。企業に今以上に柔軟な対応をしていただければ、我々も学生の能力を保証して社会に出したいと考えています。
本学の学生たちは、コミュニケーション力、発信力はもちろん、受信力が高いんです。傾聴力、または吸収力と言い替えられるかもしれません。外国人とのふれ合い、異文化の中での生活で、学生たちは日常的に広い意味での異文化理解を行っています。それこそが、グローバル人材に求められている要素ではないでしょうか。グローバル人材を求めるのであれば、もっと留学経験者に目を向け、前向きに採用していただければ、学生も安心して留学できるようになると感じます。