響き合う 人x企業 JOBRASS新卒

学生の就職活動を応援 大学キャリアセンターインタビュー

vol.

26

東京造形大学

我が校の特徴
デザインと美術を「造形」という広い視点で捉えて、創作活動を通して身につけた実践的な能力を社会に役立てていくことができます。
設置学部
【造形学部】
■デザイン学科(グラフィックデザイン専攻領域、写真専攻領域、映画専攻領域、アニメーション専攻領域、メディアデザイン専攻領域、室内建築専攻領域、インダストリアルデザイン専攻領域、テキスタイルデザイン専攻領域)
■美術学科(絵画専攻領域、彫刻専攻領域)
東京造形大学

「造形」を通して社会と関わる

学生支援セクションの堀川さん(写真:右)と平川さん(写真:左)。
さまざまな就職支援の成果が、学生たちの積極性や内定という形で現れてきているという。

造形学部の中に、デザイン学科と美術学科があり、それぞれの学科に細かな専攻領域を設けています。
大学名にも使われている「造形」という語は、「社会をつくり出す創造的な造形活動の探究と実践」という建学の精神を象徴することばです。日本で「造形」という名称をはじめて大学名に冠したのもまた、東京造形大学です。

デザインと美術を「造形」という広い視点で捉えて、他の領域と統合したり、創作活動を通して積極的に社会に関わっていくことが教育方針になっています。
興味のある授業は専攻領域を横断して受けることができますし、専攻領域の異なる学生同士の交流も盛んです。学生が自主的に企画・運営してワークショップを開いたり、外部講師を招いて授業をつくっていく新たな取り組みも行われています。

東京造形大学の学生の性格を一言でいえば、自由闊達。
教員が一方的に指導するのではなく、自分がやりたいことを自由に表現し、それを率直に提案できるところが、本学の学生の多くに当てはまる特長だと思います。

■■就活生の傾向に変化の兆しあり■■

就職に関しては、少しのんびりしていてエンジンのかかるのが遅い学生が多いのですが、さまざまな就職支援の成果もあって、ここ最近では積極性が見られるようになってきました。学内の「就職資料室」や「就職支援セミナー」の利用者も増えており、学生たちの間でも口コミなどで徐々に浸透しはじめているようです。

一人ひとりの意思を大切に

企業には就職せずに作家活動をつづける人もいるなど、卒業後の選択の幅が広いのも東京造形大学の特徴。
だからこそ、一人ひとりのニーズに合った進路相談を心がけている。

東京造形大学の学生の進路は、企業への就職、大学院への進学、教員、留学、作家活動など、多岐にわたります。私たち学生支援セクションでは、自分らしい生き方を見つけることをモットーに、一人ひとりのニーズに合わせた進路相談を行っています。

私たちが大切にしているのは、本人の意思。

就職率という数字だけを追いかけるのではなく、一人ひとりの話をじっくりと聞いた上で、本人がより納得した形で社会に出るためにはどうすればよいかを考えながらサポートするようにしています。

それは必ずしも企業の中で働くこととは限りませんし、「何がしたいか分からない」という漠然とした不安を抱えて相談に来る学生も少なくありません。いくつもの選択肢を示すことで、学生が広義の意味でのキャリアを考えて、自分の人生を選択するためのお手伝いをしていきたいと思っています。

デザイナーが唯一の道ではない

「就職資料室」には、専任職員のほかに専門資格を持つキャリアカウンセラーを配置して、学生たちの進路相談に対応しています。学生は「就職」ということばが付くと敬遠しがちなので、入口は常にオープンにして入りやすい空間づくりをしています。また相談については、事前予約を不要にすることで気軽に利用できるように工夫しています。

気をつけているのが、過干渉はしないこと。私たちがあまり押しすぎると逃げてしまうので(笑)。
それでも、「就職資料室」に入ってくるということは何らかの理由があるはずなので、様子をうかがいながら必ず一声かけて、学生の情報を得るようにしています。1学年460名ほどの大学ということもあって、一人ひとりの顔や名前も覚えられますし、2回目に来てくれたときの話のきっかけにもなるからです。

最初はデザイナーを志望していても、だんだん興味が広がって、一般企業の総合職を希望する学生も多いですね。総合職であっても他の学生とは違った強みを上乗せすることができるので、デザイナーとしての素養が売場づくりにも役立つと評価されて百貨店に就職が決まったというような例もあります。
たとえ総合職という道を選んだとしても、デザインや美術の能力を活かせる職場はたくさんあります。

■■学内でのセミナー開催も毎週実施!■■

3年生の前期より、毎週火曜日の5時限目に「就職支援セミナー」を開催し、卒業後の進路について考えるための指針となる情報を提供しています。
また、企業の採用担当者を招いての学内会社説明会も頻繁に開催。単に会社の業務内容や採用試験について説明を受けるだけではなく、デザイナーの仕事や業界の動向などについても話を聞けるような機会を設けています。

次世代へ成功体験をつなげていく

中には、実力はあるのになかなか機会に恵まれない学生がいるんです。面接がよくなかったのか、プレゼンがよくなかったのか、いろいろと原因はあるとは思いますが、私たちが見る中ではこの子は内定を取れる能力があると思っていてもなかなかうまくいかない。

そうした学生に対しては求人を勧めるだけではなく、逐一フォローをしていきます。書類を提出する前に必ずチェックをしたり、模擬面接をしてポイントを確認したり……。一次、二次と徐々にステップアップしていき、最後は「いつもどおり、自分自身を出していきなさい」と言って送り出します。その結果、マッチングした企業からきちんと評価してもらえて、内定を獲得できたときは私たちとしても本当にうれしいですね。

その子たちが、翌年の「就職支援セミナー」にOB・OGとして来てくれることがあるのですが、在校生たちにアドバイスをしている姿を見ることもまたうれしくて。成功体験を聞くことは学生たちにもよい刺激になりますし、こうした好循環をたくさんつくっていきたいと思っています。

東京造形大学の学生の強み

最近よく学生の本質が見えないと言われますが、東京造形大学の学生たちは自分の抱いている想いを素直に伝えようとしますし、裏表がないんですよね。それは美大生に共通する特徴ですし、強みでもあると思うんです。

企業の採用担当者の中には、美大生というとコミュニケーション能力が低いという見方をする方もいらっしゃるかもしれませんが、実際は逆。大学のカリキュラムの中でも実践的な授業が非常に多く、例えば作品の講評を行う場合には、制作したコンセプトを自分のことばできちんと説明できなければいけません。プレゼンのスキルやコミュニケーション能力を学生生活の中で必然的に身につけているのです。

企業の採用担当者の皆様には、学生たちのそういった能力をご評価いただけたらうれしく思います。

東京造形大学

東京造形大学

所在地 〒192-0992 東京都八王子市宇津貫町1556
URL http://www.zokei.ac.jp/
学部 【造形学部】
■デザイン学科(グラフィックデザイン専攻領域、写真専攻領域、映画専攻領域、アニメーション専攻領域、メディアデザイン専攻領域、室内建築専攻領域、インダストリアルデザイン専攻領域、テキスタイルデザイン専攻領域)
■美術学科(絵画専攻領域、彫刻専攻領域)
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