響き合う 人x企業 JOBRASS新卒

学生の就職活動を応援 大学キャリアセンターインタビュー

vol.

30

日本福祉大学

我が校の特徴
広い発想で福祉を捉え、これからの社会に役立つ人材を数多く輩出しています。
設置学部
■美浜キャンパス
【社会福祉学部】社会福祉学科
【経済学部】経済学科
【子ども発達学部】子ども発達学科、心理臨床学科
【国際福祉開発学部】国際福祉開発学科
【福祉経営学部(通信教育)】医療・福祉マネジメント学科

■半田キャンパス
【健康科学部】リハビリテーション学科、福祉工学科

※2015年4月に新たに東海キャンパスを開設。経済学部と国際福祉開発学部が移転するほか、看護学部を新設予定(設置構想中)です。
日本福祉大学

超高齢化社会に求められる人材

キャリア開発課の洞井さん。
学生一人に対して10回以上履歴書の添削をすることもあるという。

日本福祉大学の学生に共通した特長は、学部を問わず福祉について勉強しているということです。

福祉というと、一般的には介護や介助ということを連想されがちですが、日本福祉大学で勉強する福祉というのは、もっと幅の広い福祉を指します。

「福祉」を構成する漢字の「福」も「祉」も、本来は「幸せ」という広い意味を持っています。英語で「福祉」を意味する“welfare”や“well-being”も、元々は「幸せ」を意味します。そして、現在では、「福祉」は〈すべての人々が、幸せに暮らせる・生きられるためのすべての活動・制度・学問〉を指すようになっています。このような「福祉」の広がりを表すために、本学では、「福祉」を〈「ふ」つうの「く」らしの「し」あわせ〉の頭文字をとって「ふくし」と平仮名で表すことが増えています。

超高齢化社会を迎えていくこれからの世の中で、この「ふくし」という考え方はますます必要とされるもの。これは、日本福祉大学で学んだ学生の強みだと思います。

就活支援としては、全学部の2年生と3年生を対象に、5~6月にかけて私たちキャリア開発課のスタッフとの個別面談を実施しています。日本福祉大学の学生は1学年1200名近くになりますが、約7割の学生が面談に来てくれます。

2年生は、まだ就活を考えるには時期尚早と思っている学生が多いので、まずは就職を意識してもらい、その上で今からどのように学生生活を送っていくべきかを中心に話をします。

3年生の面談では、将来のことが固まっていない学生には話を聞きながら方向づけをしていきますし、逆に進路が明確な学生には業界知識をもっと広げるように指導しています。学生の多くが職種として知っているのは事務と営業くらいなもの(笑)。職種の知識についてもきちんと身につけていってもらわないといけません。

大切なのは肩書きではない

創立60周年を迎えた日本福祉大学。福祉・医療関連の就職先に数多くのOB・OGを送り出している。

面談後、そのまま就活に積極的になっていってくれればよいのですが、なかなかそうはなっていかないですね。キャンパスの雰囲気がのんびりとしていることが影響しているのかもしれません。企業説明会などに参加して、他大学の学生の就活の取り組みを見たり、情報交換をしてはじめて、「このままではいけないぞ」と刺激を受けることも少なくないようです。私たちとしては、学生たちにもっと早くから外に出ていくように言っているのですが、なかなか難しいですね。

相談に来る学生の大半が、「大学時代に打ち込んだことは?」という問いに対して、サークル活動かアルバイトを挙げます。サークル活動で、ただやってきたとか、「キャプテンとしてみんなを引っ張ってきた」というだけでは説得力はありません。試合に勝ちたい。だけど勝てない。そんなときに、現状を把握した上で、何が弱点で、それを克服するためにどのような練習にシフトしたり、チームをどう運営したりしてきたのか? その結果、どうなったのか? というところまで整理した上で、キャプテンとしてこんなふうに取り組んできたという話になれば、そこではじめてキャプテンとして頑張ってきたね、という話になるわけです。その点は、よく理解してほしいところです。

だから、「こんな書き方じゃダメだよ」と指摘すると、学生は自分の価値を全否定されたように思うのでしょうか、投げやりになってしまうことがあるんです。私たちは体験そのものを否定しているわけではなくて、むしろその値打ちが分かっているからこそ、それが伝わるような書き方をしないといけないんだと言っているわけです。最初はふてくされていた学生も、こちらの真意に気づいてくれると、私たちに対する姿勢が変わってきますね。

一人で悩まず相談することが大切

今の学生は、これまでにあまり叱られた経験がないんでしょうね。面と向かって、ダメ出しされることに慣れていない。だから、こちらが感情移入して一生懸命になればなるほど、学生は引いてしまうという状況にぶつかることもしばしばです。

あるとき、こちらがガツンと言ったときに相手も居直って、「僕は怒られるためにここに来ているんですか?」と喧嘩腰で言ってきた学生がいたんです。そこで、「いや、そうじゃないんだ。こういうことなんだ」と、その学生が周囲からどう見えるかということを説明しながら、長時間話し込んだことがありました。その学生は、「高校・大学を通して、自分のことでこんなに話を聞いてもらったのははじめてです」と言って、それ以来、何かあるとすぐに報告に来てくれるようになりました。

彼は無事に内定をもらって卒業していったのですが、卒業式で見かけないなと思っていたら、後日わざわざあいさつに来てくれたんです。「卒業式の日は研修中だった」と言って。うれしかったですね。

他にもいろいろな学生がいます。履歴書が誤字脱字だらけではじめはどうしようもないと思っていた学生が内定報告の第1号になったり。中には卒業後も転職のために「履歴書の添削をお願いします」と言って連絡してくる卒業生もいたりします(笑)。

迷惑は、いっぱいかけてくれればいいんです。そのつもりでこちらも対応しますし、最後まで食らいついてきてほしい。そういう学生はきちんと就職できる力を持っていると思います。

一番こわいのは、途中で放り出してしまうこと。卒業間際になっても内定が取れずにキャリア開発課に駆け込んでくる4年生の大半が、これまでに相談に来たことがなく、履歴書の添削を一度も受けたことがないという学生たちです。我流でもすんなりいけばいいのですが、求められていることと書かれていることがズレていることが多いですね。就職がうまくいっていない学生は、早めに誰かに相談してもらえるといいと思いますね。

自分の魅力は自分では気づかない

就職先がなかなか決まらない学生には、自分自身のことをつかみきれていないケースも多いですね。自分のよいところを分かっていないから、自分のことを正確にきちんと整理して第三者に説明できないんです。

例えば、「人からモノを頼まれても嫌とは言えない」という学生に対して、その理由を尋ねてみると、「頼まれたから、それに応えないといけないと思うから」「自分が頼られているのがうれしいから」といった答えが返ってきます。たいていは自信の裏返しで、これならできるという青写真があるから引き受けている。裏返せば、頼まれるというのは、あいつならなんとかしてくれるだろうという信頼の表れでもあるわけですよね。でも、そういうことを指摘されるまで本人も気がついていないんです。

他にも、人の話に耳を傾けられるということは大事な資質ですよね。それができて、なおかつ人から相談を受けることがよくあるというのであれば、それだけでもうエピソードは必要ないわけです。相談されるということ自体が、その人の人柄を示しているわけですから。学生にそう話すと、その場では「なるほど」と感心して帰っていくのですが、次に履歴書を添削してみると、余計な理由を付け足していたりする。本当に難しいですね(笑)。

■■インターンシップを正課授業に■■

日本福祉大学では、15年前からインターンシップを導入しています。当時、通産省や愛知県、地元の企業、大学が共同で東海地区のインターンシップ推進協議会を立ち上げたのですが、創立時から数年前まで日本福祉大学が事務局校になっていました。そうした経緯もあって、けっこう早い時期から正課の授業として取り組んできました。多いときには250名をこえることもありましたが、現在は150名前後が毎年インターンシップに参加しています。
毎週の授業では、履歴書を書くトレーニングや業界研究、マナー講座などを行い、マッチングのできた受け入れ先でインターンシップ研修を実際に行なって報告するところまでが流れですが、こうした取り組みで、参加した学生は確実に変わります。就職の助走期間としてモチベーションを高めることにつながるだけではなく、その先の採用にも経験の有無が生きてくるようになってきています。

正直な姿を見てほしい

日本福祉大学の学生は、とにかく真面目です。もう少し融通を利かせてもよいと思うくらい真面目(笑)。企業の人事担当者の皆様には、ぜひそういったところを面接で引き出していただけたらと思っています。

私たちとしては小手先のテクニックに走ることなく、相手に自分はこういう人間だということをきちんと伝えられるような準備をさせたいと考えています。

相談に来る学生には、「就活本に書かれていることを信用するのは2割くらいにしてね」と言っているんです。「みんなが同じことを言ったり書いたりしている。影響されすぎだよ」と。

面接の指導をしているとよく、「そんなことまで言ってもいいんですか?」と聞かれるのですが、それ以前に自分のことをきちんと知ってもらい、その会社に入りたいというときには、なりふり構わず、しゃにむに食い下がっていかなければとダメだと伝えています。それを言ったら有利か、不利か? 言ってよいのか、ダメなのか? というようなことを考える以前の問題として嘘のないこと、とにかく自分はこういう人間です、ということを一生懸命話をして分かってもらうことが大事なんだ、と言っています。

日本福祉大学

日本福祉大学

所在地 〒470-3295 愛知県知多郡美浜町奥田
URL http://www.n-fukushi.ac.jp
学部 ■美浜キャンパス
【社会福祉学部】社会福祉学科
【経済学部】経済学科
【子ども発達学部】子ども発達学科、心理臨床学科
【国際福祉開発学部】国際福祉開発学科
【福祉経営学部(通信教育)】医療・福祉マネジメント学科

■半田キャンパス
【健康科学部】リハビリテーション学科、福祉工学科

※2015年4月に新たに東海キャンパスを開設。経済学部と国際福祉開発学部が移転するほか、看護学部を新設予定です。
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