響き合う 人x企業 JOBRASS新卒

学生の就職活動を応援 大学キャリアセンターインタビュー

vol.

34

京都嵯峨芸術大学

我が校の特徴
地の利を生かして個性豊かな人材を育成。
外部との積極的な交流を通してクリエイティビティの発揮をサポートしています。
設置学部
【芸術学部】造形学科、デザイン学科/大学院:芸術研究科
短期大学部:美術学科、専攻科
京都嵯峨芸術大学

大学の紹介・学生の特色

京都嵯峨芸術大学は、歴史ある神社・仏閣が多く立つ嵯峨・嵐山にキャンパスを設置し、地の利を生かした教育を提供しています。嵐山花灯路への参加や一条の商店街を妖怪で盛り上げるなど、授業だけでなくサークル活動でも積極的に地域と連携し、フィールドワークを取り入れています。嵯峨・嵐山の美しい四季折々の変化を間近に楽しめることも、学生の美的センスに大きな影響を与えていると思いますね。また、仏教がバックボーンになっている芸術大学というのは類を見ず、設立母体の大覚寺は華道の家元でもありますので、創作の場としてとても恵まれた環境かと思います。
1学年300名弱と少人数で学ぶ学生たちは、幼いころから絵を描いたり、何かを制作してきたクリエイティブ志向の高い子たちです。個性豊かで、一般企業を目指すもの、教職を目指すもの、アルバイトをしながら制作活動を続けるもの、進路もさまざまです。進路に関しては少しのんびりしているため、この恵まれた環境での学びをいかに就職へ結びつけていくかということが難しいところですね。学生たちの思いに応えてモチベーションを上げ、それぞれにあった支援をしています。ただ、卒業後すぐにクリエイターとして仕事をするのは難しいため、支援する立場としては、一旦企業に就職して長い目で見て制作活動を続けてほしいという思いはあります。

キャリア支援の取り組み

教務・学生支援グループでキャリア支援を担当する皆さん。オフィスと同じフロアに作品展示スペースがあり、アートに囲まれた環境で支援している。

就職率が回復しつつあると言っても、大手企業の一般職・総合職から広がっていきますので、中小企業やクリエイティブ職は求人自体が少なく、時期も3月スタートとはいえ通年行われている状況です。キャリア支援も、周囲のペースに惑わされずそこに合わせていく必要があります。
まず、入学年次に教養ゼミがあり、そこで「キャリアカルテ」を作成します。自己分析を行い、過去を振り返って将来の目標を定め、計画的にキャリアをデザインしていきます。進路ガイダンスでのアンケートや学習面の記録等も合わせて積み重ね、そのカルテに基づいて個々の面談を行っていきます。個人面談は全員が来られるように日程を組んでいますが、なかなか来てくれない学生もいるため、研究室の先生方とも連携して声をかけています。
また、キャリアプランニングという授業では、クリエイティブな職種・企業に限らず、さまざまな企業の社長を招いてお話をしていただきます。インターンシップは、卒業生がお世話になっている企業を中心に大学独自で行うものと、大学コンソーシアム京都という組織が主催する大規模なインターンシップに参加するものがあり、後者については、事前・事後学習で他大学の学生と切磋琢磨することもでき、社会を知るいい機会となっています。
また、卒業生の作家活動を支援する「サガ・クリエイターズクラブ」という組織では、先輩クリエイターである卒業生と在学生との交流の場を設けています。企業に所属せずフリーで活躍する先輩も多いため、親睦を深める中でさまざまなキャリアの形を学べると思います。

学生にアドバイスしていること

教務・学生支援グループ副グループ長の牧野さん。「この春より、キャリア支援センターは教務・学生支援グループとして、入学から卒業まで一貫して学生を支援しています。進路という出口だけではなく、学園祭など学生生活のさまざまな活動に関わり、成績などの情報も共有して、その延長線上で進路相談・支援にあたっています」

学生たちの志は高いです。それを就職に結びつけるためには、こだわりがある分、狭くなっている視野を広げ、見方を変えることです。学生は商業ベースに乗っている企業名しか知りませんが、1つの商品が売れるまでには、いろんな工程があり、たくさんのスタッフが関わっていますよね。その組織や企業といったものを理解させることが、大事なポイントになってきます。就職先は、印刷、デザイン会社、アパレル・繊維と多種多様ですが、総合職で入社して経験を積み、企画やデザインといった専門職に進むことが多いと思います。商品を販売する現場でクライアントとの関係を理解したうえで、企画・デザインをやっていく。企業が求めるのは、消費者のニーズを知って、それを商品に結び付けられる人や広い視野を持った人ではないでしょうか。学生にはそういったことを伝えています。
最近ではクリエイター自身が自ら企業に売り込む機会も多いと聞きますので、制作活動だけに没頭するのではなく、企画力・実行力を伴った人材へ成長する必要があります。そのためには、外部と接する機会を少しでも多くつくることが大切です。それが、フィールドワークであり、キャリアの授業で外部の方のお話をうかがうことやインターンシップです。学生時代に外部との接触で学び、いろんな人と関わってモノの流れや社会の仕組みを学ぶことが、その先の進路へとつながっていきます。スタッフの中には企業での勤務経験があるものもいますので、実践的なアドバイスもできます。
学生たちは、見た目はおとなしそうですが、秘めている情熱はすごいです。言葉や文章で表現するのは苦手かもしれませんが、彼らには作品があり、ポートフォリオで表現することができます。話が下手でも、作品をプレゼンして説明すれば企業の方も分かってくますし、1社がダメでも、あきらめずに粘り強く積極的に自分をアピールするように励ましています。エントリーシートの添削や模擬面接ももちろん行っていますが、面接を何度も何度も練習してワンパターンの受け答えをするような指導はしていません。学生個々の個性を引き出すことができればと思います。

企業へのメッセージ

芸術の分野で幼いころから大学まで培ってきた学生たちの力を、社会に出て企業様で発揮させるために、私たちはいろんな部分で支援しています。引き続き、将来にわたって活躍できる場を提供いただけたらありがたいと思います。学内での説明会やインターンシップなど、今後も産学連携して一緒に学生支援・人材育成に取り組んでいきたいですね。企業で活躍する良い人材、日本だけでなく世界で活躍する人材を一緒に育てたいと思っています。

京都嵯峨芸術大学

京都嵯峨芸術大学

所在地 〒616-8362 京都市右京区嵯峨五島町1 番地
URL http://www.kyoto-saga.ac.jp
学部 【芸術学部】造形学科、デザイン学科/大学院:芸術研究科
短期大学部:美術学科、専攻科
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