響き合う 人x企業 JOBRASS新卒

学生の就職活動を応援 大学キャリアセンターインタビュー

vol.

40

国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学

我が校の特徴
世界に羽ばたく人材が育つ
国内屈指の研究拠点・奈良先端大学。
設置学部
[設置研究科]
【情報科学研究科】
【バイオサイエンス研究科】
【物質創成科学研究科】
国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学

大学の紹介・学生の特色

本学は、情報科学、バイオサイエンス、物質創成科学の3つの研究科で構成された、大学院のみの国立大学法人です。産官学連携が非常に盛んなのが特徴です。2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥本学栄誉教授(京都大学iPS細胞研究所長)は、本学のバイオサイエンス研究科助教授としてここでiPSの研究を始めました。
学生は、近畿を中心に日本全国から集まっており、四年制大学を出た学生はもちろん、高等専門学校を卒業した学生が多いのが最近の特徴ですね。一見おとなしい学生が多いですが、自身の専門分野に関しては情熱を持っています。研究第一にカリキュラムが組まれており、学生の研究環境に関する満足度は、非常に高いと自負しています。
一学年当たり修士約350人、博士約100人が在籍しており、進学は全体の3割、就職が7割程度です。就職を希望する学生に関しては、「○○業界に行きたいから奈良先端大学に来た」と、具体的な就職先を見据えて本学を選んで入学してくる学生が多くいます。大手企業出身の先生もおり、企業との結びつきが強いため、就職に強い大学ということを前面に出すことができています。

キャリア支援の取り組み

全学的な支援を行うキャリア支援室ができたことで、研究科をまたいだOBの紹介や、境界領域への就職を志望する学生のサポートが、よりしやすくなったという。研究科が異なる学生同士がふれ合い、相互に学べる場、学生が足を運びやすい場所を目指している。

昨今の経済情勢・社会環境の変化の中、修士の学生だけでなく、博士の学生やポスドク(ポストドクター:博士号を取得した非正規の研究員)の就職・転職を含めた総合的なキャリア支援が大学として求められています。それを受け、キャリア支援室は去年の8月にできたばかりです。
修士に関しては、学生課が主体で行っていた就職ガイダンスを引き継ぎ充実させているほか、これまで期間限定で行っていた個別相談を、奈良の公的機関等と連携して通年で行うようにしました。模擬面接など専門の相談員から手厚いサポートを受けることができます。
博士・ポスドクについては、今年2月に専門の企業説明会「JOB FESTA 2014」を開催しました。学生側は、大学や研究機関だけでなく民間企業も活躍の場の1つだと再認識し、企業側には、多くの博士人材が企業就職に前向きであると知ってもらう良い機会になったと思います。全学的な支援はまだ手探りの部分がありますが、そういった催し物の開催が需要と供給のミスマッチを減らし、就職支援につながっていくと思います。
また、大手志向の強い学生が多く、選考が落ち着く6月頃に、「受けるところがありません」と言って来る学生もいますが、受けるところがないわけじゃないのです。視野を広げてもらうことが支援室の役割でもありますので、県内企業の就職説明会を行うなど、さまざまな形でマッチングを進めています。
研究第一という大学の方針により、初年度は基礎教育期間の前期(4~9月)が終了する夏休みから、就職に関する積極的な情報発信が可能になります。単位化されている情報科学研究科以外は、長期間研究室を空けるインターンシップのハードルが高いのも事実ですが、研究室の先生と相談して個人で参加しているようです。全学的には、平成17年度から株式会社東芝との間で協定を締結し、昨年度までに25名の学生がインターンシップ研修生として、東芝の各研究・開発部門で研究活動を行っています。
半数が推薦で決まる研究科もあれば、自由応募が大半の研究科もあり、研究科によって就職状況は異なります。学生は個々の研究科でまとまってしまう傾向がありますが、キャリア支援室は、研究科が異なる学生同士が交流したり、相互に学べる場にしたいと思っています。ここができたから研究科をまたいだ支援ができると、内外にアピールしていきたいですね。

学生にアドバイスしていること

バイオサイエンス研究科のキャリアデザイン室ディレクター北川特任教授。企業での勤務、人事採用経験を生かし、常駐で個別相談に対応している。

「バイオサイエンス研究科は、最先端の研究を誇りながら、企業への就職に結びつきにくいのが実情です。食品や化学、薬品や医療といった業界での活躍が可能ですが、医薬分野では専門学部からも学生が来ますし、大手企業に研究職で入ったとしても、すぐに大学での研究内容が発揮できるわけではありません。そういった点を踏まえ、研究内容と就職との結びつきだけでなく、学生たちには、コミュニケーションやあいさつの大切さを伝えています。先日も、元CAの方を招いてマナーセミナーを開催しました。研究に没頭すると、身なりに気が向かなかったりしますが、人は見かけによるとアドバイスしています。企業で人事も担当してきて感じることですが、理系の学生は文系の学生と比較して、自分の思いを言葉にして表現することがあまり得意ではありません。しかし、自分が納得いくところに就職できている学生や複数の内定を獲得している学生は、明るく元気で印象の良い学生が圧倒的に多いんです。就職も友達探しのようなもので、企業が“一緒にいて楽しい人”や“周囲に気を配れる人”など、友人になりたい人を見ています。あの山中教授もとてもお話が上手ですよね。ユーモアを交えながら人と接することを留学時代に学んだとおっしゃっています。そういったことが、ある程度重要なんだと気づいてほしいですね」(北川特任教授)

企業へのメッセージ

本学には、一般企業への就職を志望する学生も多くいます。そういった学生に向けての情報、求人をいただきたいですね。全国的に求人の絶対数が少ないかと思いますが、特にバイオサイエンス系の求人枠を設けていただきたいということと、博士学生やポスドクに対する柔軟な就職支援へご協力いただければ幸いです。

国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学

国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学

所在地 〒630-0192 奈良県生駒市高山町8916番地の5
URL http://www.naist.jp
学部 [設置研究科]
【情報科学研究科】
【バイオサイエンス研究科】
【物質創成科学研究科】
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