響き合う 人ｘ企業 JOBRASS新卒

千里金蘭大学は平成15年（2003年）4月に開学いたしました。本学の母体である金蘭会学園は、明治38年（1905年）、大阪府立堂島高等女学校（現：大阪府立大手前高等学校）の同窓会（金蘭会）が、女子高等教育の振興と社会に有用な人材の育成を目標に設立いたしました。女性が教養豊かに社会で活躍するためには、社会の変化に対応できる有意な資格を有する人材の育成が必須であると考え、女性の特質を充分に発揮できる資格を活かすことにより、社会参画がスムーズにできるようなプロフェッショナルの育成を目指しています。具体的には、看護・栄養・児童という集約した学科体制で専門的職業人教育を徹底するとともに、3学科の連携により幅広い視点で専門を学び、教養豊かな女性の育成を強化しています。
本学の学生は協調性豊かで素直とよく言われます。環境が人を育てると言いますが、この緑豊かで静かな環境、清潔なキャンパスで学んでもらうことで、人を助け、支えていくことが自然と身についていくのかなと感じます。看護師も管理栄養士も保育士も、人と対面する仕事です。昨今よく言われるコミュニケーション力が問われますので、資格に加えて、人への思いやりといった心の豊かさの育成が、受け継がれてきた本学のDNAですね。先日行われた学祭でも、やはり人の役に立ちたいと参加してくれる学生が多かったですし、オープンキャンパスなどの行事もボランティアで手伝ってくれる学生が多くいます。卒業生においても、そういった部分を評価していただいていると感じます。

学生支援センターのセンター長、上田さん（左）とキャリアサポート課係長の西濱さん。

キャリア教育に関しては、カリキュラム自体が国家資格の取得に関わるため、入学の時点から始まっていると言えます。キャリアサポート課からは、全学部生を対象に、入学式が終わった直後のオリエンテーションの中で、それぞれの職業についての説明や社会に出る準備についてお話しします。
キャリア支援の内容は学科により異なりますが、たとえば管理栄養士を目指す食物栄養学科であれば、1年生から8～10人のクラスで学ぶ基礎ゼミがあり、社会で活躍する先輩を招いて話を聞くなど、管理栄養士に関して1年をかけて学んでいきます。1年の終わりには実際に管理栄養士が働く現場へ伺い仕事を見ることで、それぞれが自分の目指す管理栄養士像を描いていきます。こんな管理栄養士になりたいと目標を持てば、強いですよね。モチベーションを高めることができます。ほかにも、子どもと接する資格取得を目指す学科では、1年生の5月の時点で、実際に子どもとふれ合う授業があるんです。どの学科でも、学生自らが体験しながら目指す方向性を見つけていきます。教養科目においても、一方方向ではなく、少人数を生かした対話のあるグループワークを取り入れ、友と一緒に学んでいます。
具体的な就職のサポートについては3年生から始まりますが、看護学部以外は、2年生の前期からキャリアについて考えるガイダンス等でアプローチしていきます。ここでも、ただ管理栄養士になりたいというのではなく、「どういった管理栄養士になりたいのか」「どんな働き方をしたいのか」を意識できるようなガイダンスを、前期に3回各90分行います。1年生のときは、たとえば看護師なら病院勤務と思いがちですが、それ以外の道も見せ、視野を広げてもらうようにしています。
また、資格の取得後に一般企業への就職を目指している学生もいるため、長く教養型の大学としてやってきたノウハウを生かして、一般企業への就職支援も行っています。多様な進路に対応できることも、本学の強みかと思います。

校舎の前で学生たちと。教職員と学生の距離が近いのも、小規模大学ならではの強みだ。

ガイダンスに関しては必ず出てもらうようにしていますので、掲示、メール、ポータルサイトでの告知でアプローチしています。セミナー等で学生との接点を持てる機会には、なるべくこちらから声をかけて顔を覚えてもらうようにしています。1人ひとりにきめ細やかに対応できる、みっちりサポートできる、それが小規模な本学の強みです。
それには、学科とキャリアサポート課の連携も欠かせません。学科も、就職支援はキャリアサポート課に任せておこうというのが一切ないので、サポート体制が整っていると思います。教員と学生の距離が近く、教員は学生のことをよく分かっています。いろんなタイプの学生がいる中で、いま学科でこういったことをしているから就活をストップしていると分かれば、こちらから学生に余計なプレッシャーや負担をかけなくてすみます。
また、保護者へも就職関連イベントの案内を送り、後押しいただくようにしています。9月には保護者説明会があり、一番の関心事は就職ですので、協力を仰いで一緒に取り組んでいます。
国家資格を目指す学生は、限られた時間の中で授業と受験勉強を並行しているので、時間の使い方が上手だと感じます。ただ、積極的な学生はサポートがなくてもいいのですが、なかなか自分から動けない、どう動けばいいか分からない学生たちを、どう引っ張っていけるかが、私たちの腕の見せ所です。センターに来るのが怖かったという学生も、実は人懐っこかったりするので、常に親しみやすい対応を心がけています。最初はカウンター越しでも、履歴書の添削、模擬面接と何度か関わるうちに親しみを持ってもらえるようになります。スタッフ2名で対応しているため予約が必要なのですが、基本的には学生の都合に合わせて予約を取ってもらえますし、ここ数年、利用学生は増えていると実感しています。

専門的な職業に就くことを目指してきた学生たちは、資格が強みであるのはもちろん、元々「人の役に立ちたい」というやさしい気持ちを兼ね備えています。そんな本学の伝統とも言える、資格と資質の両方を持った学生たちを、ぜひ社会に役立てていただければと思います。