スタッフインタビュー

interview

一緒に働く仲間たちをご紹介

お客さまの些細なことにも気づけるようになり、仕事を通じて、人間的に成長していきたい。

村瀬 豊  / 大津営業所  / バス運転手  / 2001年入社  / 正社員
村瀬 豊
バスの運転手に転職されたきっかけは?
バスの運転手になりたいというのは子どもの頃から思っていたのですが、学校を卒業してからはずっと電気関係の会社に勤めていました。年齢もだんだん上がっていくうちに、ラストチャンスかなというときに見つけたのが、近江鉄道の募集です。偶然、友人のお父さんが近江鉄道でバス運転手をされていたので、一度、話を聞いてみることにしました。そのとき、実は「辞めておけ」と反対されました。せっかく会社勤めをしているのだし、転職そのものを辞めたほうがいいと。それでも年齢を重ねてから転職するよりも、今しかないのではという思いがあり、思い切って会社を辞める決意をしました。
会社を辞めた後、すぐ近江鉄道に?
普通免許しか持っていなかったので、まずは教習所に通い、大型二種免許を取得しました。どちらに転んでもバスの運転手になろうと決めていたので、材料だけは揃えておこうという想いからです。免許だけでなく、大型車を運転する経験も必要だろうと思い、1年半ほどトラックにも乗りました。4tトラックで長距離と中距離、近距離とひと通り経験を積んだあと、近江鉄道に入社しました。
入社後はどのような研修がありましたか?
本社での研修が約1カ月ほどあり、試験に合格して配属されたのが、あやめ営業所、当時の近江八幡営業所です。営業所でも1カ月ほど主任さんが横に乗ってくださって業務研修があり、もう一度試験を受けて、一人で乗務するようになりました。最初は路線バスに乗っていたのですが、貸し切りバスにも一度乗ってみたいと思い、声を上げたところ、希望を聞いていただけることになりました。貸し切りバスを運行している大津営業所に異動し、最初は路線バスと貸し切りバスの両方の仕事をする兼任の運転手という立場で、県内の仕事や空港への送迎を担当した後、貸し切りバスに乗務するようになりました。
村瀬 豊
現在は、2台の車両がつながった「連節バス」の運転も?
連節バスは、近江鉄道に導入された2016年の4月から担当しています。乗務するメンバーで何人かに分かれて研修があったのですが、最初に運転したときはやはり緊張しました。前進するのは普通のバスとそれほど変わらないのですが、軌道が大きな分、その間に車やバイクが入ってくるので、かなり慎重になります。乗られているお客さまの人数も普通のバスの倍。朝や夕方の時間帯だと、立っておられるお客さまを入れると100人を超えることもあります。今では運転にも慣れましたが、最初の頃はブレーキから足が離せなかったり、アクセルを強く踏み込めないこともあったほどです。
連節バスに乗られたお客さまの反応は?
珍しいのか、「おおっ」という声は乗ってこられるお客さまからよく聞こえてきて、道を歩いている方が携帯で写真を撮られることもよくあります。バスの後ろのほうから、「あんなにハンドルを振らないと曲がれないのかな」と驚かれる声が聞こえてくることもあります。
連節バスを運転するコツはあるのですか?
連節バスの運転は一見、難しいように思われますが、基本的なことは普通のバスと同じです。前進に関しては、大型車は何でもそうですが、大回りしていれば何とかなります。少し曲がるのを失敗した場合、小回りで失敗すると、もとに戻らないといけないのですが、大回りだとその場でハンドルを切り直せば、なんとかクリアできます。曲がれないかなと思えば、自分が思っているよりも大回りを心がけていれば大丈夫です。
お仕事をしていて、印象に残っているお客さまはいますか?
いつも同じバス停から乗って来られる障がいのあるお客さまで、「すみません、すみません」と言いながら降りられる方がおられました。ある日、両替をしようと千円札を出されたのですが、少しよれていたので僕が交換したことがあります。千円札をお渡ししたとき、ふと見ると「怒ってはりますか?」と聞かれました。「怒っていないですよ」とお答えしたのですが、そのとき初めて、お客さまはいつも気をつかって乗っておられたのかもしれないということに気づかされました。その方との出会いがあって以来、お客さまの些細なことにも気づけるようになり、仕事を通じて人間的にも成長したいという想いが一層強くなりました。
近江鉄道で働く魅力は?
「やりたい」「乗りたい」と声を上げれば、挑戦させてくれる会社です。実際に自分がそうでした。本来であれば、貸し切りバスに乗るには路線バスの経験が2、3年必要なのですが、1年足らずで乗務させていただきました。ただ単に「乗りたい」と言うだけではムリだと思うので、日々の業務をきちんとしようという気持ちで頑張り、「こういう理由で乗らせてください」というのであれば、貸し切りバスでも連節バスでも十分、可能性はあります。もちろん一定の技術は必要ですが、「頑張りたいです」とハッキリと声にして、事故を起こさないという当たり前のことを当たり前にしていれば、事務所の人は頑張りをしっかり見てくれています。
バス運転手を目指している方にメッセージをお願いします。
路線バスの場合、バスの運転手の日々の業務は、時間が来て発車し、お客さまをお乗せしてという単純な繰り返しのように思われがちですが、同じことを繰り返すというのは意外と大変です。車内事故も車外事故も、事故と名の付くものはすべて起こさないように巻き込まれないように、気をつけて運転するのは思う以上に難しいのですが、難しいことをしているということがやりがいに繋がります。もし、バスの運転手をしようと思われるのであれば、バスの仕事は一見、単純な仕事のようでいて、実は大変な思いをすることもありますが、乗り越えたときに達成感を味わえるので、ぜひチャレンジしてみてはどうかと思います。
村瀬 豊
村瀬 豊
電子部品や精密機器の製造に約9年間携わった後、トラック運転手として大型の経験を積み、近江鉄道へ。あやめ営業所(当時は近江八幡営業所)の配属となり、1年半後、観光バスに乗務したいと希望を出し、大津営業所へ異動。現在は連節バスの運転も担当する。