

変形性膝関節症とはどんな疾患?
進行するとどうなるの?
再生医療という新たな選択肢
リペアセルクリニックで行う再生医療とは?
幹細胞治療とP R P療法、治療の効果はどう違う?
変形性膝関節症と再生医療
変形性膝関節症とはどんな疾患?
加齢、肥満、怪我などが原因で膝の軟骨がすり減ってしまい、関節の変形が起きることを「変形性膝関節症」といいます。初めは立ち上がる際や階段の上り下りの際に膝の内側に痛みを感じることが多く、そのまま放置しておくと徐々に軟骨がすり減り、歩いていても常に膝の痛みが出てくるためだんだんと歩行がつらくなります。
またひどくなってくると、関節が曲がりにくくなったり関節内に水が溜まって腫れたりと日常生活にも支障が出てきます。これらの症状により、外出の機会が少なくなるため体力が落ちて、ひどくなると寝たきりになる場合もあります。
そして残念なことに、変形性膝関節症によって一度すり減ってしまった軟骨は、通常の治療では元の状態に戻ることはありません。
進行するとどうなるの?
変形性膝関節症には段階があり、主に初期、進行期、末期に分けられます。初期には膝の軟骨がすり減り始め、症状としては歩き始めや立ち上がる際の膝の痛みがあり、長時間歩くと痛み出すが休むと治まることが特徴です。
進行期には軟骨のすり減りが進行し、半月板の変形や滑膜の炎症がみられ、正座やあぐら、階段の上り下りがつらくなり、膝に水がたまる等の症状が出現します。
末期には骨自体も損傷し、膝関節の変形がみられます。それまでの症状に加えて強い痛みで歩くことすら難しくなったり、O脚やX脚に変形して足が伸びなくなったりします。
今までの変形性膝関節症に対しての治療としては、痛み止めの薬やヒアルロン酸、ステロイド薬の注射をうつ等の対症療法しか方法がありませんでした。しかしこれらは根本的に減ってしまった軟骨を増やす治療ではないため、軟骨や半月板のすり減りを止めることはできません。
変形性膝関節症の症状が進行して日常生活が困難になると、かかりつけ医からは人工関節等の手術を勧められるでしょう。このように、従来の保険診療ではヒアルロン酸等の注射が効かなくなると手術しか選択肢がありません。
再生医療という新たな選択肢
そんな中でもう一つの選択肢として注目されている最先端の治療が「再生医療」です。
・リスクの高い手術はしたくない
・仕事の関係上、長期の入院ができない
・人工関節を入れた後に本当に症状が改善するかが不安
このように、手術に対して抵抗があるのは当然です。また、年齢や基礎疾患の問題でどうしても手術ができない方も多くおられます。
変形性膝関節症に対する再生医療の適応として以下のような項目があります。
・ヒアルロン酸注射をしているが3日ももたない
・人工関節、関節鏡、骨切り等の手術を勧められたがしたくない
・入院するための休暇がとれない
・手術のリスクが気になる
・症状の進行を予防して、人工関節を入れるほど重症化したくない
・骨壊死の診断を受けた
再生医療の治療としては、培養した幹細胞を膝関節に注射するだけです。大きな手術も必要がなく、日帰りで治療でき痛みもほとんど伴いません。
幹細胞が関節内に入ることによって軟骨が再生されるため、半月板や靭帯などの傷んだ組織も修復されます。再生医療は関節の変形が末期の状態で、人工関節しか方法がないと言われた方の新たな選択肢となるだけではなく、変形が初期の頃に再生医療を受けることで、その後の変形の進行を抑えて重症化を防ぐことができるのです。
手術には、肺血栓症や出血性ショック、神経障害、最近感染等、命に関わる合併症のリスクが少なからずあります。その点、脂肪由来の幹細胞を使った再生医療は副作用のリスクがほとんどなく安全に行えるため、体に大きな負担をかけず、入院や手術の必要のない最新の治療法として期待されています。
リペアセルクリニックで行う再生医療とは?
当院で行っている再生医療には大きく分けて「幹細胞治療」「PRP(多血小板血漿)療法」の2種類があります。
まずはリペアセルクリニックで行っている幹細胞治療の特徴を3つあげます。
1、幹細胞の数
一般的には1千万個ほどの幹細胞を投与するケースが多いのですが、当院では関節の状態に合わせて2,500~1億個以上の幹細胞を投与します。投与する幹細胞の数が多ければ多いほど良好な治療成績が得られるのは、海外の臨床データでも実証済みです。
2、独自の細胞培養技術
一般的に、採取した幹細胞は冷凍保存されますが、そうすると解凍した際に多くの幹細胞が死んでしまいます。しかし、リペアセルクリニックでは国内トップクラスの細胞加工室で冷凍せず保存しているため、新鮮な幹細胞を多く投与することが可能となります。
また、自身の細胞と血液を使用して幹細胞を作るので安心安全ですし、採取する脂肪は米粒2~3粒とごくわずかなので身体への負担も少なく、薬品、添加物、不純物は一切入っていないため副作用の心配もありません。
3、体の負担が少ない脂肪の幹細胞を使用
幹細胞は脂肪以外に、骨髄、滑膜、内臓などにも存在し、それぞれに治療効果の違いなど特徴があります。当院では採取において安全性が高く、世界でも注目されている脂肪由来の幹細胞を使用しています。
幹細胞治療は自身の脂肪を、局所麻酔をしてごく少量を採取し、約1ヶ月かけて幹細胞を培養したあと関節に投与します。関節にメスを入れる手術は必要なく、身体に負担の少ない簡単な日帰り治療となります。
幹細胞治療とP R P療法、治療の効果はどう違う?
次に2つ目の治療法であるPRP療法についてです。PRP(多血小板血漿)とは、血液中の血小板や成長因子だけを集めた成分のことをいい、傷を早く修復する効果があります。
その効果を利用して痛みや炎症を抑えるのです。こちらも自身の血液を使うため、アレルギー等副作用の心配はありません。
では、この2つの治療法の違いは何かというと、PRP療法は幹細胞が含まれていないため、ヒアルロン酸のように膝の炎症を抑えることはできますが、軟骨を再生することはできません。
しかし幹細胞治療は関節に入った幹細胞が軟骨に変化して再生させるため、唯一軟骨を再生させることが可能な治療法となります。
現在の症状や生活背景に合わせて、適切な治療法を選択して快適な日常生活を取り戻せるよう治療を進めていきます。