スタッフインタビュー詳細

ずっと帰ってきたかった大好きな居場所。 毎日たくさんの喜びをいただいています。

安川千穂
常任理事・副学園長・ヴォーリズ・エデュケアセンター長・こども園園長
入職年月 1993年4月

PROFILE:
近江兄弟社高校を卒業後、兵庫県の短期大学でキリスト教保育を学び、大阪の幼稚園に勤める。その後、一般企業、障害を持ったこどもに携わる施設での経験を積み、1993年にヴォーリズ学園に非常勤として入職し、スクールバスの添乗員や保育補助、産休代替のクラス担任を経て30歳の時に正職員となる。現在はこども園の園長として、保育に携わる職員や、保護者のかた一人ひとりの想いを活かした学園作りを目指している。
「ありがとう」の言葉をこんなにもいただけるお仕事。 人が育つ姿を見るとやりがいを感じます。

-ヴォーリズ学園を選んだ理由は?
当時の園長先生にお手伝いに来てもらいたいとお声かけをいただいたことがきっかけです。園長先生は、学園の創立者の一柳満喜子先生に直接指導を受けた保育者で、「こどもと関わる仕事がしたい」というきっかけを私に与えてくださった方でもあります。母校であるこの学園はずっと帰りたかった大好きな居場所でしたので、新しい環境に対する不安はまったく無く、「よし、ここで頑張っていこう!」と意気込んでいました。正職員になるまでの二年間は、バスの添乗員やクラス担任、お掃除係など本当に幅広い経験をさせていただきました。

-やりがいを感じる時は?
この仕事は与える仕事ではなく、いただくものが多い仕事です。人が育つ姿からもたくさんのものをいただきますし、保護者のかたから「今日も1日ありがとうございます、行ってきます」「今日も一日ありがとうございました」と感謝の言葉をいただきます。毎日こんなにも「ありがとうございます」というやりとりをさせていただけるお仕事は、ほかにはない気がします。こどもだけではなく、保護者さんとも一緒に悩んだり喜んだり、本当にたくさんの幸せをいただいています。

-地域の方々にはどのように支えられていますか?
近所の方々は、乳児組の子ども達がお散歩カートに乗っていると「今日は寒いなあ」とか「大きくなったなあ」と毎日声をかけてくださいます。地域の方々にも見守り、育てていただいているといつも感じます。また、七夕の集いをはじめ、様々な交流の機会をもっています。幼稚園、保育園、こども園は建物やフェンスで区切られた空間に見えますが、その中で地域の子どもが育っていることを身近に感じ、地域全員でこどもを育てていくという視点を持っていただける様な、開かれた場所となるよう願い運営しています。

こどもの瞳が輝いた瞬間。
成長の過程がはじまります。

-こどもさんの成長を感じる時は?
目が輝く瞬間があるんです、こどもを見ていて、ふってまなざしが変わった瞬間に、今気づいたなとか、今こころが揺れたかなと感じることがあります。具体的に何かができるようになるのは、もっとその先のことかもしれませんが、そういう時に成長するというか、気づくというか。気づいて試してできるようになっていく、0歳のこどもでも、目が輝く瞬間があって、気づいたり、知っていったり、感じたり。感じて安心してできるようになっていく、成長ってそういうことなのかもしれません。できなくなるということも成長です、怖さに気が付くから、前まで手を出していたものに手を出せなくなる、恐怖も成長の一つです。不安や恐れも成長と見たときに、見守るだけの時もあれば、手を差し伸べることもありますが、どんな時もこどもの気持ちを感じて寄り添っていくことが、保育者としての役割だと考えています。

-思い出深い出来事はありますか?
一番印象に残っているのは幼稚園教諭になった年のことです。こどもたちと一緒に泣いたり笑ったり、とにかく手さぐりで失敗だらけの一年でした。学校を卒業したての半人前で、保育がうまくいかず子供たちに申し訳なくて、トイレ掃除をしながら泣いて悔やむようなことがありましたが、一生懸命だった自分を当時の保護者さんがとても温かく見守って支えてくださいました。見守るということは責めるということよりも、エネルギーもいるし大変なことです。本当にとても大きな器で育てていただきました。その経験が先生たちと向き合う時の、今の自分のあり方に繋がっている気がします。当時のクラスのこどもたちは、今でも結婚式に呼んでくれたり、出産の報告をくれたりします。20歳で出会ったこどもたちと、今でもこうして繋がれていることをとてもうれしく感じています。

一人ひとりの想いを土台に、
みんなで学園を作っていきたい。

-教員の方々に声をかける際に意識されていることは?
現場の先生たちがしてくださっていることが、学園の理念の具現化に繋がっているということを、折に触れて伝えるようにしています。先生がたは自慢できるくらい純粋な方が多く、本当に真剣に仕事に取り組んでいるからこそ、求められていることを敏感に察知し、期待に応えられているのだろうかと悩む人は少なくありません。
また、保護者のかたのご意見に対しても、私たちが大事にしていることと繋げてお返しするようしています。それぞれの先生にはカラーがあり、想いがあるように、子供たちや保護者さんにもそれぞれの持ち味があり、考え方があります。一人ひとりの意見や想いを土台にしながら、みんなで同じ方向に進み、学園を作っていきたいと考えています。

-ヴォーリズ学園の職員を目指すかたにメッセージを。
自身の得意だと思っていること、大事にしてきたことを、こどもたちの育ちのために活かしていただくことで、一人ひとりの個性が活かされていきます。ぜひ、ご縁を感じられたら、扉を叩いてみてください。

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