簿記の専門学校を卒業後、新卒で入社。現在は店舗システム課でスタッフの教育に注力している。プライベートでは、二児の父親。7連休制度を利用して家族で旅行に出かけるなど、仕事とプライベートのメリハリを大切にしている。
入社後は三重県の店舗に配属されました。その後、さまざまな店舗で経験を積みましたが、新規店舗の立ち上げや、当時一番面積の大きかった店舗で店長を務めたことは、いまでも良い思い出です。9年間店長を経験し、店長をまとめる上級店長に昇格。教育店で新入社員の教育も行いました。2018年からは店舗システム課に所属しています。主な業務は店長育成セミナーや社員強化セミナー、新卒社員研修での講義の実施、参加した社員のアフターフォローなどです。
社員には、元気に仕事をするようにと教えています。たとえ、前日にいやな出来事があっても、お店ではプロとしての高い意識を持つようにと。私自身も、新人のころに「俳優になりなさい」と教えられてきました。白いシャツを着ている以上、アルバイト・パート以上に見られている意識を持つことは大切です。そして、やはり元気は伝染するもの。働いている社員が元気でいれば従業員も大きな声で接客をしてくれますし、お店が元気になれば必ずお客様も元気になってくれます。社員の姿勢がアルバイト・パートへ、そしてお客様へ伝わっていくからこそ、どんな姿勢で取り組むべきかということは一番に伝えています。
アルバイト・パートの育成に戸惑う社員には、「人によって得手不得手はあるので、作業ができないことについては絶対に叱らないように」と伝えています。「早くして」と一方的に叱るのではなく、なぜ作業が遅くなってしまうのか、一度自問自答してみてくださいと。すると、モノの置き場所が悪かったり、新人スタッフにわかりやすい教育ができていないなど、課題点が見えてきます。スタッフを叱る前に、まずは社員がスタッフにとって働きやすい環境を作ること、そしてお店を好きになってもらい、長く勤めてもらうことを心がけることが教育には欠かせません。一人ひとりのつまずきの原因を見つめて解消する、その繰り返しでこそスタッフは成長し、お店も良くなっていくと考えています。
ある日、キッチンで仕事をしていたとき、スタッフから「店長、お客様が呼んでいます」と言われました。フロアに行くと、以前勤務していたお店の常連さんが手を振って「松元さんの異動先を聞いて、ここまで来たんですよ」とおっしゃってくれました。高齢のご夫婦だったのですが、近所の大阪の店舗から私がいる滋賀県の店舗まではるばる来てくださり、「もう、遠いわよ」と笑いながら食事をしてくださったことは、今でも忘れられません。店長の頃、そのお客様が来られるたびにあいさつをさせてもらい、注文されたメニューをお持ちしていたので、私自身がお客様を大切にしてきた一つの成果でもあるのかなと、うれしさと同時に感謝の気持ちが込み上げてきました。