大学時代、旅館の厨房でアルバイトをしたことから飲食店に興味を持つ。入社後は、店舗の建築関係や海外での仕入れ業務を担当するなど、変わったキャリアの持ち主。現在はマーケティング部長として、新メニューの開発やテレビ番組・CMでの広報など、新たな取り組みを推進している。
当社に入社したのは、店長になりたかったから。店長は字のごとく、「店の長」と書きますよね。そのため、一つの小さな会社を運営するといっても過言ではなく、人件費の計算といった経理面から、売り上げ管理といった経営面など多岐にわたる業務があります。そのような仕事に憧れ、入社後は店長を目指して店舗での経験を積んでいましたが、私の場合は入社3年目で建築部へ異動になりました。そこで6年間、店舗の改装などに携わったのち、仕入れ開発部へ。12年間食材の調達を担当し、後半の8年間はインドネシア、タイ、ベトナムなど海外にも赴任していました。
当社は30年ほど前から、海外の工場やメーカーと直接取引を行っています。私は輸入専任ということで、現地の企業をリサーチしたり、さまざまな国で開催される展示会に足を運んだり、ふさわしい食材が見つかれば現地の工場を確認するなど、幅広い業務を行いました。文化や宗教もまったく異なる海外の方と一から信頼関係を築いていくという点では苦労もたくさんありましたが、当時一緒に仕事をしていたスタッフとは、今でも連絡を取り合っています。昨年も、日本で大きな地震や台風があった際に、「大丈夫ですか」というメールや電話をたくさんいただきました。文化や国の壁を越えて海外の方と仕事ができたということは、とても貴重な経験だったなと感じています。
商品開発と営業促進、2つのチームをまとめる部長をしています。テレビでのコマーシャルや新メニューの開発がわかりやすい取り組みです。華やかな仕事に聞こえますが、メニュー開発や広報の仕事には決まった正解がないため、さまざまなトライ&エラーを繰り返す必要があります。プレッシャーもありますが、上司からは「今のやり方を大きく変えてみてほしい」と言われているので、恐れずに挑戦を重ねていきたいと考えています。最近では、これまでに使ったことのない食材を実験的に取り入れようと、秋には黒毛和牛の販売を、冬には従来のカニを中心としたメニューに加え、ウニを使ったメニューを考案しました。現在の部署に来てから、食材の選定や価格の調整などは仕入部にいた頃の、交渉事には建築部で培ったスキルが活きていると感じています。
当社は、上司と部下の距離感がとても近い会社です。オフィス内のフリーアドレス(決まった席がなく、他部署の社員と一緒のテーブルで仕事をする制度)も、立場に関係なく誰もが気軽にコミュニケーションを取れる環境を後押ししてくれています。また、女性社員が多いことも特長です。特にマーケティング部においては、女性のお客様やファミリー層を狙うことが多いので、女性の視点や感性が活かしやすいように感じます。先日も、女性社員に「クリスマスに何かおもしろい企画ができないかな」と問いかけると、おしゃれなプロモーションを積極的に考えてくれました。今後も女性や若手社員が気軽にアイデアを出せるような組織を作ることで、熱意を持ってのびのびと働く社員を増やしていきたいです。