Woman Staff
女性運転士
田中運転士
憧れの母を超え、
地域から愛される運転士に
“バス”は母との思い出の場所。
その背中を追って、自らも運転士の道へ。
私の母も三重交通のバス運転士。小さい頃から、その姿を見て育ちました。学校から帰ったあと、時間があれば母が運転するバスに乗り、車内で軽く会話をする。そんな時間がすごく好きでしたね。私にとってバスは、母との思い出が詰まった大切な場所なんです。
だからこそ、就職活動でも三重交通を第一に考えていました。当初、母には内緒にしていたんですけどね(笑)。もちろん、「三重交通」といえば三重県内で知らない人はいないほどの会社なので、長く働けると思ったことも理由の一つです。
ちなみに私は、クルマの運転が嫌いで(笑)。「それなのにバスの運転士?」と思われるかもしれませんが、なぜかバスの運転は平気なんです。これも、昔から母が運転している姿を見ていた影響があるのかもしれませんね。
入社後は、免許が取れる年齢になるまで高速道路のサービスエリアで接客業務をしていました。その後、合宿で大型二種免許を取得。必要となる費用はすべて会社が負担してくれますし、合宿中もお給料が出るので、すごくありがたかったです。
免許取得後は、三重交通の研修所で1ヶ月半ほど、運転や車両点検、運転士の一日の流れなどについて研修を受講。そして各営業所に配属となり、先輩のバスに乗ってマンツーマンで指導を受ける流れです。まずは、バス停を覚えるところから始まりました。
慣れてきたころに、先輩についてもらいながら、お客さんを乗せて運転をします。配属後にも、こうして1ヶ月半程度しっかりとサポートをしてもらえたので、安心してひとり立ちができました。運転嫌いな私でもここまで続いているので、入社後に経験を積んでいけば、女性でも問題なく運転士になれると思います。最近のバスは、オートマ車も多くなり、運転しやすくなっていますから。
今は路線バスの運転士として、鈴鹿方面を走っています。意識しているのは、お客様に安心して乗っていただける運転をすること。特に、渋滞した時にはどうしても焦ってしまうのですが、そういうときこそ、落ち着いて運転をするように心がけています。
女性の運転士はまだまだ少ないので、お客様に「女性の運転士さんだ」と言っていただく機会が多いんです。「がんばってね」とか、「運転うまいなぁ」といったお声をいただくことも。そういうときは、うれしくなると同時に、この仕事を誇りに感じますね。ある意味で目立つ存在だからこそ、「安全運転を徹底しないと」と、気も引き締まる思いです。
今でも鮮明に覚えているのが、昔、母が運転するバスに乗っていたときに、「今日もあなたなんやね」とお客様からよく声をかけられていたこと。そんな母以上に地域のみなさんに覚えてもらい、愛される運転士になる。それが、今後の私の目標です。